中古住宅でリノベーションすべき?

最近では都市部への人口集中と地方での過疎化や高齢化が進行し、全国的に空き家になる物件が増加しています。典型的なのは都市部に生活の本拠を構えた方の実家で、相続が発生するというものです。実家に帰る予定もないため、管理放棄されて結果的に空き家になってしまいます。他方で田舎暮らしへの需要は一定程度存在しており、中古住宅を巡る市場も活況を見せています。そのようなトレンドの中で増加しているのが、安い価格で中古住宅を購入して購入後にリノベーションするというスタイルです。住宅は20年も経過すれば減価償却されてしまうので、新築住宅に比べて安価に入手することができます。それではマイホームを購入するのに、新築住宅を購入するのと中古住宅を購入してリノベーションするのと、どちらを選択するべきなのでしょうか。
まず新築住宅を購入する場合、建築確認がおりているので居住性能には問題はありません。反面すべて一からつくりあげるので、巨額の建築費用や付帯工事費用などが嵩みます。これに対して中古住宅からリノベーションをする場合、家本体の購入費用をかなり抑えることが出来ます。建築後数十年以上経過しているような中古物件では、価格のほとんどは土地の資産価値で占められています。したがって好立地の条件なら高額になる可能性はありますが、一般的傾向として安価で購入することができるのは明らかです。新築物件と異なるのは、リノベーション工事を施工して居住するという点です。リノベーションにも規模の違いがありますが、一般的には相当の金額を投じて施工することになります。ただしどこまで施工できるかは、中古住宅の仕様や経過年数・設置する設備などにより変わってきます。場合によっては希望通りの条件でのリノベーションが出来ないかもしれません。場合によっては想定外の費用が発生することもあります。
またローン利用の条件でも、新築住宅と中古住宅では異なってきます。リノベーションに対応する住宅ローンも販売されていますが、融資金額は少なく返済期間も短く設定されているのが一般的です。
このように新築住宅を購入するのと、中古住宅を購入してリノベーションするのとではそれぞれに一長一短があります。中古住宅には新築にはない味わいや、古い家屋ならではの雰囲気があるのはたしかです。中古住宅をリノベーションするにしても、自分の希望をかなえることが出来るか、ライフスタイルに合致するのか、などを踏まえ慎重に判断することが求められます。